■定期昇給とは?

どんな会社でも働く人の賃金に差があるのが一般的です。この差の根拠は様々です。年齢や勤続年数の違い、能力や職務、役職、成果、実績によって賃金に差をつける場合があります。

こうした決定基準をもとに作成された賃金表や昇給表がある場合、定期昇給の計算が可能です。例えば、18歳の年齢給が170,000円で、次年度19歳となり年齢給が175,000円に改定され、5,000円賃金があがります。さらに、職能給が10,000円から15,000円に改定されると、この人の定期昇給として10,000円賃金が上がります。

このように、賃金表にもとづいて年齢が1歳、または勤続が1年増えることによって賃金が増額されるものを定期昇給といいます。

定期昇給の意義は、1歳年上または1年先輩(先に入社)と同じ年齢、勤続、能力、職務、成果となったときに、同じ賃金を支払うことを約束することにあります。これによって労働者は将来の賃金が予測できることで生活設計が容易になり、安心感が得られます。会社にとっても、労働者の勤労意欲を維持することが可能となり、会社の業績に貢献することにつながります。

■定期昇給相当分とは?

賃金表がなくとも、会社には先輩がいると思います。その先輩と同じ年齢、勤続、能力、職務、成果となったときに、同じ賃金となるために必要な金額が「定期昇給相当分」となります。定期昇給制度がないとしても、この定期昇給相当分(維持分)の引上げがなれければ、先輩の賃金に追いつかず、生涯年収にも大きな差が出ることになってしまいます。